大人が子どもにできること~フォーラム「もっと子どもと外で遊ぼう!」~

 ご報告が遅れましたが10月13日(土)、アイーナ4階の岩手県立図書館ミニシアターで私どもいわて子育てネット主催によるフォーラム「もっと子どもと外で遊ぼう!」を開催しました。ご参加くださったみなさま、関係者のみなさま、ありがとうございました。

a0279721_1424164.jpg フォーラムは基調講演とパネルディスカッションの2部構成で、基調講演「遊びが育むもの~プレーパークって何?~」の講師は、天野秀昭先生(大正大学人間学特命教授・NPO法人日本冒険遊び場づくり協会副代表)。
 『子どもはおとなの育ての親』など多数の著書がある天野先生は、東京都世田谷区の「羽根木プレーパーク」でプレーリーダーとして長年務められ、今なお精力的に全国の「冒険遊び場づくり」の支援運動を続けています。
 1995年の阪神淡路大震災の際は、地震から一週間後に被災地の神戸市に入り、被害の大きかった長田区に子どものための遊び場を立ち上げました。昨年の東日本大震災でも東北被災地に赴き、強い信念の下、子どもの遊び場づくりに力を注いでくださっています。

※羽根木プレーパークとは…子どもが遊ぶ環境は禁止や制約だらけではないか。もっと自由に挑戦し、子ども自身が試行錯誤できる場としての遊び場を実現させようと、1979年、禁止事項を取り払い「自分の責任で自由に遊ぶ」という看板を掲げた日本初の常設のプレーパーク(遊び場)。

 フォーラムは外あそびが子どもの成長に与える影響や、大人は子どもにどう接したらいいか……など、子育て中のお父さんお母さんはもちろん、子育て支援関係者にとってとても有意義なひとときでした。a0279721_1454734.jpg

 また、パネルディスカッションでは川村晃寛さん(森林インストラクター、あかばやし探検隊主宰)、池上貴久さん((株)ボーネルンド)、松坂由華さん(ガールスカウト日本連盟岩手県支部、盛岡市つどいの広場にこっこ 主任保育士)、当法人副理事長の両川いずみがパネリストとして出席し、各氏が関わる活動・事業紹介の後、天野先生をアドバイザーに「遊び」についてディスカッションが繰り広げられました。司会は自身も男の子の母という菅原那緒子さん(テレビ岩手アナウンサー)。a0279721_1463088.jpg

 このフォーラムには、内閣府より受託した事業「新たな一歩プロジェクト 地域で役立つお仕事にチャレンジしよう! 外遊び編」の受講生5名も講義の一貫として聴講していただきました。現在、6週間に及ぶ講義も折り返し、今日から盛岡市外山森林公園へ実地研修に出向いています。



 
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 かつての子どもたちは暗くなるまで外で遊び、自然とふれ合いながら毎日を過ごしました。
今の子どもたちは? リアルで遊ぶこととテレビゲームで遊ぶことの違いは? そもそも、どこで遊ばせたらいいの? 私たち大人にできることは?
 フォーラムをきっかけに改めて芽生えたであろう疑問が、この研修で少しは解決のいとぐちを見いだせますように。


 以下、天野先生のご講演を聴いて心に留まったキーワードを覚書として書き留めさせていただきます。


 「教え」「育てる」という意味の「教育」と、「遊び」「育てる」という「遊育(ゆういく)」はなかなか一致しない。「教育」のなかで大人が教えたいのは「正しさ」や「善」。それに対して「遊ぶ」は「快=心地よさ」「おもしろい」。徹頭徹尾、これしかない。子どもが「動物脳」といわれるゆえんである。正しいを押し付ける「人間脳」ではダメ。遊びこんできた子どもたちには、自己解決力がある。

 子どもの遊びに大人が介入すべきではない。大人が教えるのは「遊び方」。この「方(かた)」をはずして、大人も子どももただ遊ぼう。
 遊びは子どもが生きていくうえでの礎(いしずえ)。自然のなかに解き放すことで自発性が生まれ、子どもは社会性を身につけていく。

 「室内」はあくまで人工空間。人の頭でつくり出したもの。「室外」は人智を超えた世界。すべてが想定外。同じことがないだけに、前に得た体験を応用させながら新たに体験していくしかない。すると、対応力が身についてくる。

 快適といわれる環境にずっといたら、弱い体になってしまう。「すべすべ」「つるつる」「ふわふわ」しか知らないと不快がわからず、感性が育たない。
 「ざらざら」「ぬるぬる」「べたべた」「痛い」を知るのは必要なこと。体は心を育てるセンサーで、このセンサーは2歳くらいまでに完成する。
 乳幼児のときはもっと外に出すべきではないか。五感で感じること。知りたい、おもしろいという生きる意欲の原点というべきものをもっと大人が促せるように。
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by iwate-kosodate | 2012-11-05 14:13 | HIT事業